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2015.08.02 Sunday

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2009.09.09 Wednesday

杉浦日向子さんの百日紅

 

夏は植木鉢の朝顔や、背丈を越える向日葵に目を奪われているうちに過ぎていくのだが、九月になると、それまで目だだたずに咲き続けてきたツルリとした木肌の頭上に咲く百日紅に気がつく。僕はこの花の存在につい最近まで気がつくことは無かったという点においても、子供とはちょっと縁のない花なのかもしれない。

そのドライな風合いは、砂漠の乾燥地帯の生まれかと思うほど、日本の花としては異質な趣である。

夏の熱気を身に引き受けて赤く咲く花には、どこかアンニュイなけだるさを感じる。

杉浦日向子さんはテレビ番組では江戸時代考証家として、そのフワリとした笑みを残すばかりだったが、そのデビューがマンガ家であったことは知る人も多くないかもしれない。

彼女のマンガ「百日紅」は、葛飾北斎とその娘お栄を主人公に、時にドキリとする幻想文学を垣間見せながら、江戸後期の浮世のアンニュイさを文芸作品のような濃度で描いている。

「散れば咲き 散れば咲きして 百日紅」(加賀千代女)

あの赤い花は、彼岸花が咲き誇るまでは、8月の濡れた砂のような熱気を吸い続けるだろう。ユリイカの特集に載せられた写真の中の杉浦向日子さんの笑みは百日紅のようだった。


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