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2015.08.02 Sunday

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2010.06.12 Saturday

湊かなえ 「告白」 2

 今度学校を辞めることにしたと女教師が最後のホームルームで語り始める。

給食の牛乳には発育に大切な栄養があってと、ちょっとレトロな学校ネタなのかと思って読み始めるのだが、辞める理由は自分の娘がこの間のプールで起きた事件で殺されたからであって、その犯人はこの中にいる、今の復讐を終えたところだというオチで第一章は終わる。ちょっとグロテスクな設定ではあるのだが、スピード感あふれる描写が凡庸さから逃れている。

これで小説がおしまいならば、この本は短編集ではないか、と目次を確かめた。第二章は、生徒からの告白だった。ほぼ同じストーリーが生徒の視点から供述される。この繰り返しで、第三章以降、章ごとに少しづつ新しい事実が加わって、複数の鏡で被写体が照らし出されたように修正されていく。ベールが剥がれていくエロスが少しある。

教室をテーマにした漫画の「二十世紀少年」を思い出させるが、「二十世紀少年は、よくも悪くも謎の先送りで読者を最後まで混乱させていた。その点、「告白」は多少状況が複雑でも、章ごとのほぼ同じストーリーが繰り返されるので、わかりやすいし、すっきりしている。

この小説などのように、映画化されるのだろうか。そのままであれば章ごとの語り手のモノローグであるの単調になりそうだし、語りの途中から回想シーンの繰り返しになることが想像できる。

引きこもりから、子供への偏愛と、子供が起こした異常な犯罪の背景を親子関係から小説らしく丁寧に描写しているが、いささか通説の域を超えない感もある。逆に考えると比較にだした二十世紀少年のほうは犯人の子供たちへの親の影響というものをほとんど描いていなかったのはなぜだったろうかと思うのだった。

告白を語る松たか子さんの表現力が楽しみである。
2015.08.02 Sunday

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