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2015.08.02 Sunday

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2009.08.05 Wednesday

地球空洞説

  

地球空洞説をご存知だろうか。地球は中が空っぽらしい。 1947年、リチャード・バード少将は、北極探検飛行中に、奇妙な穴を発見した。穴の正体を確かめるべく、接近すると、中には緑あふれる山脈が広がっていたという。

このエピソードは、地球が北極と南極が開口部であって、内部をは空洞であるという新説とともに、1969年、レイモンド・バーナード博士が上梓した「空洞地球」によって世間に知られることになった。 もっとも、地球空洞説は、バーナード博士のまったくのオリジナルではなかった。1692年ハレー彗星で有名なハレーが仮説を提唱し、1818年アメリカ陸軍大尉シムズが、1913年ガードナーがそれぞれ地球空洞説を立証すべく極地探検を計画している。実のところ、ガードナーはエスキモーを雇い、グリーンランドから北極海までは北進する具体的プランを準備していたのだった。

そんなわけで地球空洞説にも、複数のバリエーションがあって、ハーレーやシムズの説では、バームクーヘン状に階層状態であり、ガードナーの説は、北極と南極に穴があいた芯をぬいたリンゴのような中空としている。 20年以上も前に、種村季弘氏の「アナクロニズム」で、葦原将軍のエッセイともに、この話を知っていらい、好みのネタの1つだったのだが、そんなことはもうすっかり忘れていた。

さて、つい最近のことである。ロシアの怪しい風貌の数学者がポアンカレ予想を解いた。このニュースは、位相幾何学を勉強し直すまではいかないものの、ポアンカレ予想の解説書を手にとらせるには十分だった。 そんなわけで、ドナル・オシア氏の「ポアンカレ予想を解いた数学者」を立ち読みしてみると、ポアンカレ予想をペレルマンが解くまでの、歴々の数学者の貢献=お膳立てが200年ぐらいのスケールで丁寧に解説してあった。
 
はなはだ怪しい理解ではあることはご容赦いただきたい。どうやら、ポアンカレ予想の意義というのは我々の住む宇宙が球体であることを明かすものらしい。すなわち、真ん中に穴の空いたドーナツ(トーラス)ではないことを、ひもを結んだロケットが宇宙を一周して帰ってきたときに、ひもをひっぱって回収できれば、ドーナツでないといえる。 ドナル・オシア氏の解説書では、まず大航海時代にマゼランが世界一周をした時期から説明が始まる。とりあえず地球を宇宙に見立てている。東に向かって航海し、元の場所に戻ってきたのであるから、地球は球であると、当時の識者は断定したわけである。

ところが、と、オシア氏は、次の旨の指摘をする。曲面上を一周できたので球であると、現代の知見を導入しても、その見解を肯定できるだろうかと。 ページを繰ると、ドーナツ状の地球の図が描かれていた。ドーナツの多様体の任意の一点を基点として、トーラス上に軌跡を描いたとしても、一周して、もとの基点にたどり着くことは可能である。 ひょっとしたら、マゼランは、ドーナツの内側のところをグルリと一周したのかもしれないことは容易に想像できた。 ドーナツとしての地球。位相幾何学的にはトーラスと呼ぶのが正しい。

いずれと呼ぶにしても、地球の北と南に穴が空いているとすれば、これはハーレーが空想し、シムズが幻視し、ガードナーが資産を投じて北極海まで、と彼らの情熱を駆り立てた地球空洞説にほかならないではないか。本屋の帰り道に歩きながら気がついた。地球空洞説からペレルマンまで20年たっていた。                         つづく
 
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