<< 珈琲の余韻とトルストイ | main | ラストサムライ 美しき誤解 >>
2015.08.02 Sunday

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2009.12.25 Friday

1Q84の秘密  青豆さんとマハーバーラタ

1Q84を再読して3回目となると、読み方もディテールへのこだわりとなってくる。

主人公の一人、青豆さん(女性)は、友人の死をきっかけに頚動脈(たぶん)一刺しの暗殺者の途に進む。そして、宗教団体「さきがけ」の教祖を、優秀なるマッサージ師として会うことに成功し、いよいよ、暗殺を実行としようとする。

すると、男は、最後の仕上げを待っていたという。彼女が何をしようとして、近づいてきたのかは知っていたし、ここで殺されることで解放されるのだと。

教団にとらわれた身の幼い女性教徒たちをも、蹂躙していたと聞いていた彼女は、混乱した状態で、幼馴染の天吾との因果関係をも明かされ、最後は、使命をまっとうして、殺人を遂行する。

暗殺者がその宿敵を殺そうとするとき、その宿敵が実はそれを待っていたというお話は、インドの叙事詩「マーハバーラタ」に読むことができる。

生涯を童貞としてすごすことと引き換えに不死の身体を得た剣の天才のピューシュマという王子がいた。彼は王位を継承する弟のため、他国へでかけ、剣比べで二人の姉妹を獲得して、帰国した。姉のアムバー姫は、国に婚約者がいることを理由に弟との結婚を拒否し、ピューシュマは姫を国に帰したが、ピューシュマに剣で敗れていた婚約者は姫をひきとろうとはしなかった。

行き先を失ったアムバー姫は、いつしか恋するようになっていたピューシュマに結婚してほしいと懇願するのだが、ピューシュマは神との約束で不死を得たことを理由に断る。

愛から一転憎悪へと変わったアムバー姫は、いつかお前よりも強い武人をさがしだし復讐をしたやるといいはなって去っていった。

幾星霜を経て、敵国にシカンディンという剣に長けた若者が現れる。そして、戦場ですでに老いたピューシュマと戦うに至る。実は、シカンディンは、アムバー姫が自ら命を絶ち冥府にくだって剣の達人の美少年としてよみがえったのだった。シカンディンは前世のことは覚えていない。しかし、ピューシュマはシカンディンを見て、すべてを理解した。

わたしは、お前を一生の間、待っていたのだ。おまえは私の死だと。

不死であることは栄光である以上に苦痛である。シカンディンは、ピューシュマを倒してほどこされた。ピューシュマも待ち望んでいた死の到来を悦びを持って受け入れた。

似たような話は、ほかにも世界の説話にはあるかもしれないし、村上春樹氏が、マハーバーラタを読んでいたのかどうかはわからない。
2015.08.02 Sunday

スポンサーサイト

コメント
コメントする








 
この記事のトラックバックURL
トラックバック
Calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
PR
Selected Entries
Categories
Archives
Recent Comment
Links
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode
Powered by
30days Album
無料ブログ作成サービス JUGEM